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刀掛け 何を掛けても自由。①

こんにちは、お会いできて光栄です。当サイトのコンセプトはトップページをご覧ください。

刀を失った刀掛け

一家に一台、刀掛け。…いやいや、無いでしょう。
理由はさておき、私の家には刀掛けがあります。今はもう刀は無いのですけど。
以前は床の間に飾っていましたが、刀が無くなった途端、なぜか床の間に合わなくなりました。刀掛けさんも寂しげ?に見える。さてどうしよう。

刀掛けって何?

そもそも「刀掛け」は、名前の通り刀を保管・飾るために掛けておく物で、刀架(とうか)とも呼びます。
材質は木材が一般的ですが、鹿の角で作られた物も。
横置きの2段掛け・3段掛け、縦置きの一本掛けが多く、さらにお城に行けば壁面に大量の刀(槍)掛けを見ることができます。

装飾は美しい彫刻や漆塗り。シンプルから豪華絢爛まで

装飾は大きく2つに分けると、木地をそのまま生かしたものと、漆塗りがあります。
精巧な彫刻がされていたり、黒い漆塗り(朱はあまり無い?)や、螺鈿や蒔絵が豪華絢爛に描かれます。文様も植物、動物、人物、風景、家紋などさまざま。
おそらく既製品よりもオーダーが主流な時代だと思うので、装飾は持ち主の好みが表れているのでしょう。

けれど当然ながら、刀掛けは刀があってこそ。刀掛けは、刀を引き立てるための言わば脇役的な物。
刀が無くなったら、刀掛けの存在意義が無くなってしまうのです。

刀以外に何を掛ける?

刀掛けを活用した画像

結論、私は玄関に置いてリバティのスリッパを掛けてみました。
フローリングに直置きで、ちょっと粗末な扱いのように思われるかもしれませんね(正直私も思った)。
でも一応ここに辿り着く前に、いろいろ別の場所に置いてみましたが微妙な感じで。
ここだと衝立のように使えて殺風景だった玄関が華やかになったし、スリッパを掛けるのにも丁度いい。
それに玄関は家にとって、かなり大事な場所。風水とかでも重視されていますよね。実は大切な刀掛けをあえて玄関に置いたのは理由があるのです。

なぜ玄関?答えは装飾の文様にあり。

「 波に千鳥、片輪車 」蒔絵の意味は?
千鳥と片輪車の刀掛けの画像

この刀掛けには漆塗りの梨地に金色で川辺の風景が描かれています。橋みたいに見えるのは車輪。その上を千鳥が飛び交う可愛らしい絵です。
この絵には一体どんな意味があるのでしょうか。

次回、 「 波に千鳥、片輪車 」 の文様の意味を探っていきます。

参考文献

○「広辞苑」第5版 岩波書店